WEBサーバーとは何?

Nginx、Apache、LiteSpeedについても詳しく解説!

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WEBサーバーとは何?
Nginx、Apache、LiteSpeedについても詳しく解説!

レンタルサーバーを利用する場合に、Apache(アパッチ)Nginx(エンジンエックス)LiteSpeed(ライトスピード)といった言葉が出てきますよね。
これらがWEBサーバーと呼ばれるもので、それぞれに特徴があります。

WEBサーバーはWEBサイトの表示速度にも影響するので、高速に処理を実行できるWEBサーバーを選ぶことも大切です。
また、大量アクセス時にサーバーがダウンしにくいというところも大切です。

レンタルサーバーを選ぶ際には、WEBサーバーにも注目してチェックしてみましょう。

WEBサーバーについて

WEBサーバー(ウェブサーバー)とは、クライアントからの要求(リクエスト)に応じて、情報を返してくれるサーバーのことです。
これだと、よく分からないですね・・・

例えば、パソコンやスマートフォンでWEBサイトを閲覧する場合、一般的にはGoogle ChromeやFirefox、SafariなどのWEBブラウザを利用しますよね。
このWEBブラウザがクライアントになります。

我々がWEBブラウザからWEBサイトへアクセスすると、ブラウザはWEBサーバーへリクエスト(要求)を出すことになります。

すると、WEBサーバーは、その要求に応じてHTMLやCSS、画像、Javascriptなどのデータを返します。
また、PHPなどのプログラムを実行した結果を返す役割を持ちます。

WEBサーバーの役割
・HTMLやCSS、画像、Javascriptなどのデータを送信
・プログラムの実行結果をを送信

それにより、帰ってきたHTMLなどのデータをブラウザが解析・再構築してWEBサイトの情報が画面に表示されます。
WEBサーバーの仕組み

つまり、WEBサイトを閲覧するためには、WEBサーバーは必須のソフトになります。

レンタルサーバーで利用される主なWEBサーバー

レンタルサーバーのサービスでよく搭載されているWEBサーバーは、この3つです。

    • Nginx(エンジンエックス)
    • Apache(アパッチ)
    • LiteSpeed(ライトスピード)
メモ
他にも、IIS(アイアイエス)というMicrosoft社が開発するWEBサーバーも有名です。
ですが、IISはLinux搭載の一般的なレンタルサーバーでは利用されないので、今回は省きます。

NginxとApacheは、オープンソースになっており、無料で利用することができます。

LiteSpeedに関しては、有料のサービスになっています。
ですが、オープンソース版のOpenLiteSpeedもあり、無料で利用することもできます。

それでは、まず、現時点(2023年8月)での各WEBサーバーのシェアをチェックしてみましょう。
W3Techs 2023年8月のWEBサーバーシェア
参照:W3Techs

Nginxが34.4%と一番多いですね。
次いで、Apacheのシェアが31.3%となっており、2番目に多くなっています。

ですが、以前はApacheの独占状態でした。
例えば、2012年のデータを見てみましょう。
W3Techs 年毎のWEBサーバーシェア
参照:W3Techs

2012年1月時点でのWEBサーバーのシェアは、Nginxが10.1%なのに対して、Apacheは66.7%もあります。
それが、Nginxのシェアが徐々に増えているのに対して、Apacheは半分以下にまでシェアが減っていますね。

因みに、2012年の時点でのLiteSpeedは1.4%とかなり低いですね。
ですが、こちらも徐々に増えてきて、今は10%を超えています。

これが、2021年にNginxとApacheのシェアが逆転しました。
W3Techs WEBサーバーシェア
参照:W3Techs

WEBサーバーのシェアはこのような感じですね。

実際には、Cloudflare Server(クラウドフレアサーバー)もシェアが増加していますね。

クラウドフレアに関しては、また、今度詳しく説明します。
今回は、日本国内のレンタルサーバーでよく利用されているNginx、Apache、LiteSpeedの3つについて説明していきます。

Nginx(エンジンエックス)とは

Nginxの特徴
■並列処理が得意で、大量アクセス時も安定した速度を期待できる
■メモリ使用量が少なく、大量アクセスにも強い
■動的処理を実行することがでず、PHPの実行にはCGIを利用する
■.htaccessを利用できない
■小規模から大規模のWEBサイトの運用におすすめ

Nginx(エンジンエックス)は、2004年にリリースされ、現在では、多くのWEBサイトで幅広く利用されています。

最近では、レンタルサーバーでもNginxを採用するサービスが多く、高い並行処理能力が特徴のWEBサーバーです。
有名なレンタルサーバーのサービスだと、エックスサーバーConoha WINGで採用されていますね。

同時アクセスに強いのがポイントで、多くのユーザーが同時にアクセスしてもWEBサイトを安定的に運営できるのが大きなメリットです。
安定しているということは、同時アクセス時でも表示速度に影響が出にくいということになります。

例えば、WEBサイトが育ってきて毎日多くのアクセスを集められるようになることもあります。
また、メディアへの露出で一時的にアクセスが急増することもあります。

そのような場合でも、安定した表示速度を維持することができます。

さらに、Nginxは、メモリ使用量が小さいというのもポイントです。

例えば、メモリを多く使用するApacheだと、アクセスが急増した際にリソースが無くなり、最悪、サーバーが落ちてしまうなんてこともあります。
ですが、Nginxの場合には少ないメモリ使用量で処理を行えるので、サーバーが落ちにくいというのも大きなメリットです。

ただし、Nginxでは、.htaccessを利用できないという大きなデメリットもあります。
.htaccessはApacheの機能であり、Apacheとの互換性が低いNginxでは.htaccessを利用することができません。

それと、Nginxは静的コンテンツの処理に特化したWEBサーバーであり、動的コンテンツの実行を行えません。

その為、PHPを実行させるためには、CGIが必要となります。
つまり、WEBサーバーが外部プログラムを呼び出すことでPHPを処理し、その結果をWEBブラウザに表示さていることになります。

Apacheのように直接PHPを実行することができない為、動的処理には向かないというのも、Nginxの大きなデメリットになりますね。

レンタルサーバーの中には、Nginxを採用しているにもかかわらず、.htaccessを利用できるサービスもありますよね。
詳しくは、後ほど説明しますが、これはNginx単体ではなく、実際には「Nginx + Apache」という環境になっているためです。
Nginxを採用しているレンタルサーバー
  • エックスサーバー
  • Conoha WING
  • スターサーバー

Apache(アパッチ)とは

以前は、多くのWEBサイトがApache(アパッチ)で運営されていました。
一時は、Apache一強という時代もあり、実績のある安定したWEBサーバーと言われています。

Apacheの特徴
■実績がある
■並列処理が苦手
■メモリ使用量が大きく、大量アクセス時にはサイトが落ちる可能性が高い
■PHPを実行することができ、高速なモジュール版PHPを利用できる
■小規模から中規模のWEBサイトの運用におすすめ

その為、インターネット上にApacheに関する多くの情報が公開されており、初心者でも学習しやすいのがポイントです。

ただし、Apacheのデメリットは並列処理が苦手というところです。

さらに、並列処理を行うにはメモリ使用量が多くなるので、同時アクセス数が多いWEBサイトには不向きです。
大規模サイトだと同時アクセス数も非常に多くなるので、Apacheだとメモリを使いすぎてサーバーがダウンしてしまう可能性も高くなります。

その為、Apacheha、基本的に小規模から中規模のWEBサイトの運用に向いています。

ただ、Apacheは、Nginxとは異なり、自身で動的コンテンツの処理を行うことができるWEBサーバーです。
WEBサーバー自体がプログラムを処理することができ、より高速なモジュール版PHPを実行することができます。

  • Nginx:PHPを実行できず、CGI版PHPを実行させることになる
  • Apache:PHPを実行することができるので、動的コンテンツの処理が速い
Apacheを採用しているレンタルサーバー
  • ロリポップの下位プラン

LiteSpeed(ライトスピード)とは

LiteSpeedの特徴
・Apacheと完全が互換性を持つ
・Apacheよりも高速で、メモリ使用量が少ないので大量アクセスにも強い
・小規模から大規模のWEBサイトの運用におすすめ

LiteSpeed(ライトスピード)は、Apacheと完全な互換性を持つ軽量なWEBサーバーです。

Apacheとの完全互換の為、.htaccessやApacheのモジュールをそのまま使用することができます。

さらに、Apacheと比べて処理速度が格段に速く、さらに使用するリソースが少なく、アクセス集中時などの高負荷に強いのもポイントです。
つまり、同時アクセスにも強くて高速なWEBサーバーということですね。

また、他のユーザーの影響を受けにくいというメリットもあります。

要は、Apacheよりも高速で、かつ、少ないリソースで安定した動作を期待することができます。

その為、最近では、ApacheではなくLiteSpeedを採用するレンターバーも増えてきました。

また、LiteSpeedを採用しているサーバーでは、WordPressの「LiteSpeed Cache」というプラグインを利用できるのもポイントです。
キャッシュを利用した高速化プラグインで、表示速度の大幅な改善も期待できます。

LiteSpeedを採用しているレンタルサーバー
  • ロリポップのベーシックプラン以上
  • ABLENET
  • mixhost(ミックスホスト)
  • カラフルボックス
  • ジェットボーイ

3つのWEBサーバーを比較

3つのWEBサーバーの中で、最も歴史が古いのがApacheです。

後発組のNginxやLiteSpeedは、このApacheのデメリットを補う形で開発されたWEBサーバーになります。

NginxもLiteSpeedもメモリの消費量が少なく、大量の同時アクセスにも強いと言われます。
逆に、Apacheは、アクセスが増えるほどメモリの消費量が大きく増えるので、大量にアクセスが増えると落ちてしまう可能性もあります。

その点では、NginxやLiteSpeedの方がWEBサイトを安定して運営できそうです。
その為、アクセス数が多くなる大規模サイトの運営では、NginxかLiteSpeedを採用しているレンタルサーバーがおすすめですね。

速度に関して言えば、やはりLiteSpeedが抜けていると思います。
最近では、多くのレポートも出されており、その点は間違いないと思います。

例えば、本家のLiteSpeed Technologies社自身も、ベンチマークの結果を公開しています。
WEBサーバーの比較データ
参照:LiteSpeed Technologies

こちらは、シンプルなPHPのスクリプトを用いてパフォーマンスを測定しています。

また、「Without Keep-Alive」と「With Keep-Alive」という2つの環境で比較を行っています。
いずれもLiteSpeedでのPHPの処理速度が一番速くなっていますね。

PHPの処理速度を考えると、例えばPHPで開発されているWordPressを使用する場合には、LiteSpeedを採用しているレンタルサーバーがおすすめのようにも思いますね。

ただ、実際には、レンタルサーバーの速度は、WEBサーバー以外にも影響します。
その為、何が何でもLiteSpeedを採用しているレンタルサーバーを使用しないということはないです。

Nginx+Apacheを採用するレンタルサーバーも多い

Nginxの一番のデメリットは、.htaccessを利用できないところです。
WordPressを利用してWEBサイトを公開する場合、通常、パーマリンクの設定で.htaccessを利用することになるので、これだとまずいですよね。

Nginx.confという設定ファイルでWordPressのパーマリンク設定を行うこともできます。
ただし、それは上級者向けの設定になり、一般的な設定方法ではないです。

ただ、WEBサーバーとしてNginxを採用しているエックスサーバーは、なぜか.htaccessを利用できます。

これは、「Nginx + Apache」という組み合わせで環境が構築されているためです。
Conoha WINGも、WEBサーバーは「Nginx + Apache」と公開されていますね。

この場合、Nginxは、リバースプロキシとして使用されています。
まあ、WEBサーバーの本体はApacheということになりますね。
リバースプロキシの仕組み

Nginxにはリバースプロキシと呼ばれる機能があります。

リバースプロキシとは、クライアントからWEBサーバーへアクセスする際に、その通信を中継する機能になります。
クライアントからのリクエストをリバースプロキシに集め、その後WEBサーバーへ中継するということですね。

それにより、WEBサーバーのIPアドレスを隠すことができるので、セキュリティ向上にもつながります。
また、負荷を分散させることもできます。

このリバースプロキシとしてNginxを利用することで、NginxとApacheのそれぞれの特性を活かすことができる仕組みになっています。

リバースプロキシでは、WEBサーバーを複数台つなげることも可能です。
リバースプロキシの仕組み
例えば、3台のサーバーを用意してそれぞれにWEBサーバーをインストール、それぞれをリバースプロキシで繋げることもできます。
これにより各サーバーへの負荷を分散させることもできますね。

さらに、Nginxは静的コンテンツの処理に特化しているというのもポイントです。
Nginxではプログラムを実行させるためにはCGIが必要になるが大きなデメリットになります。

ですが、「Nginx + Apache」という仕組みにすることで、動的コンテンツの実行はApacheに任せることができます。
それにより、CGI版PHPよりも高速なモジュール版PHPを実行させることができます。

つまりは、Apacheを搭載することで高速なモジュール版PHPを実行しつつも、Nginxの同時処理能力を活用しているということですね。

【Nginx + Apacheのメリット】
・多くのリクエストを高速に処理できる
・プログラムの実行はApacheに任せられモジュール版PHPの実行が可能

というのが、レンタルサーバーの実態ということになりますね。
とまあ、少し怪しい言い方をしてしまいましたが、要は、それだけの技術力を駆使しているかこそ高速かつ安定した動作を行えているとも言えます。

因みに、エックスサーバーはモジュール版ではなくFastCGIを実行しています。
また、Conoha WINGは、LiteSpeed版であるLSAPIを採用しています。

最後に!

今回は、レンタルサーバーで主に採用されているWEBサーバーについてまとめました。

WEBサーバーは、WEBサイトを公開する為には必須のミドルウェアです。

現在よく採用されているのは、Nginx、Apache、LiteSpeedの3つ!

Nginxは同時アクセスに強いWEBサーバー、LiteSpeedは高速なWEBサーバーと言われています。
さらに、Apacheは歴史が古く、今でも多くWEBサイトで利用されている安定したWEBサーバーです。

それぞれが求める環境に応じたWEBサーバーを利用しましょう。

レンタルサーバーを利用する場合には、WEBサーバーについても情報が公開されているはずです。
必ず、WEBサーバーについてもチェックしてみましょう。

この記事を書いた人

ダッチ

WEB制作・アフィリエイター。
大学卒業後→SE→プログラマーをえて、フリーランスとして活動しています。
レンタルサーバーやWordPressには詳しいので、分からないことがあればご相談ください。

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ダッチダッチ

WEB制作・アフィリエイター。
大学卒業後→SE→プログラマーをえて、フリーランスとして活動しています。
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