今回は、Matomoというアクセス解析用ツールの紹介です。
インストール方法から、設定、使い方、セキュリティ対策、WordPressとの連携方法などを詳しく説明していきます。
コンテンツ
Matomo(Piwik)とは?
Matomoとは、
有名なツールなのでご存知の方も多いですが、
Google Analytics並みに高度なアクセス解析を行える人気のツールです。
PHPとMySQLで作成されていて、サーバーにインストールすることで簡単に解析を開始することが出来ます。
有料の機能もありますが、基本的には、無料版で十分に使えます。
デモサイトも公開されているので、気になる方は、一度実際に触って確認してみて下さい。
また、「WP-Matomo (WP-Piwik)」というWordPress用のプラグインも用意されており、
プラグインをインストールすることで、WordPressの画面にMatomoの解析データを統合することも出来ます。
因みに、以前は、Piwikというサービス名だったんですが、
いつの間にかサービス名がMatomoに変更されていました。
なので、Piwikという名称で覚えている方も多いです。
Matomoのインストール方法
まずは、Matomoの最新版を以下のページよりダウンロードします。
[ Download Matomo Free Web Analytics Tool ]
ダウンロードすると、「matomo-latest.zip」というZIPファイルが保存されているので、そのZIPを解凍します。
↓
解凍後、「matomo」というディレクトリが作成されるので、その「matomo」ディレクトリをそのままサーバー上にアップロードします。
※今回は、アップロードにはFFFTPを使用します。
※アップロードする際のディレクトリ名は、「matomo」以外に変更してもOKです。
「matomo」内のディレクトリ構造はこのようになっています。
↓
アップロードが完了したら、まずは、「/matomo/tmp」ディレクトリに書き込み権限を設定します。
もし、コマンド操作が行えない場合は、FFFTP上から「/matomo/tmp」ディレクトリの属性を「777」に変更して下さい。
↓
書き込み権限の設定が完了したら、ブラウザ上から以下のURLにアクセスします。
https://example.jp/matomo/
※「example.jp」部分は、各自環境のドメインに変更して下さい。
この様な画面が表示されていると思います。
ここから順番に画面を進めていきインストールまで完了させます。
それでは、さっそく「次へ >>」をクリックして、次画面へ遷移します。
↓
システムの確認画面に遷移します。
エラーや警告が出ている場合には、画面の指示に従って解消していきます。
今回は、エラー(1つ)と警告(2つ)が出ているので、
画面の指示通りにコマンドを実行して、それらを解消します。
エラー:chmod a+w /xxx/xxx/xxx/matomo.deep-demo.jp/matomo/config
警告:chmod +w /xxx/xxx/xxx/matomo.deep-demo.jp/matomo/matomo.js
警告:chown apache:apache /home/matomo.deep-demo.jp/www/matomo.deep-demo.jp/matomo/matomo.js
エラーと警告を修正したら、再度、画面を読み込みなおします。
↓
これでエラーが無くなりました。
「次へ >>」をクリックして、次画面へ遷移します。
↓
データベースのセットアップ画面に遷移します。
※データベースは事前に用意しておいて下さい。
「データベースサーバー」「ログイン(ユーザー名)」「パスワード」「データベース名」「テーブルプレフィックス」「アダプタ」をそれぞれ入力して下さい。
「テーブルプレフィックス」は、作成されるテーブルの頭に付けられる文字列で、任意の文字列を設定して貰ってOKです
デフォルトで入力されている「matomo_」のままでも問題ないですが、
念の為に別の文字列を設定されることをおすすめします。
また、「アダプタ」はデフォルトのままでOKです。
入力が終わったら、「次へ >>」をクリックして下さい。
↓
正しく入力できていれば、テーブル作成の完了画面に遷移します。
こちらは特に何も設定することがないので、「次へ >>」をクリックして下さい。
↓
次は、「スーパーユーザー」の作成画面に遷移します。
「スーパーユーザーログイン」「パスワード」「メール」をそれぞれ入力して、「次へ >>」をクリックして下さい。
↓
次は、ウェブサイトのセットアップ画面に遷移します。
解析を行うサイトの名称とURLを「ウェブサイトの名前」「ウェブサイトの URL」に入力して下さい。
「ウェブサイトのタイムゾーン」には「日本」を選択して下さい。
また、解析するサイトがeコマースの場合には、「e コマース」で「e コマースを有効」を選択して下さい。
入力が完了したら、「次へ >>」をクリックして下さい。
↓
トラッキングコードの設定画面に遷移します。
トラッキングコードの設定は後からでも行えるので、
取りあえず、このまま「次へ >>」をクリックして次画面へ移動します。
↓
これでインストールが完了です。
このあとは、実際に管理画面にログインしてみます。
画面下部に表示されている「MATOMOを続ける」をクリックして下さい。
↓
ログイン画面に遷移するので、設定したスーパーユーザーのユーザー名とパスワードでログインします。
↓
ログイン後のトップ画面はこちらになります。
まだインストールしたばかりなので、アクセス記録はありません。
トラッキングコードの追加方法
トラッキングコードの設定方法を説明していきます。
※インストール時に設定されてしまった方は、こちらの内容は読み飛ばして貰って大丈夫です。
まずは、トラッキングコードを取得します。
画面右上の「全ウェブサイト」をクリックして下さい。
↓
全ウェブサイトのダッシュボード画面に遷移するので、該当のサイトを選択します。
※今回は、「エンジニアブログ」のトラッキングコードを取得してみます。
↓
遷移後、ページの中腹くらいまでスクロールして下さい。
「JavaScript トラッキングコード」という項目があるので、そちらのコードをコピペします。
↓
エンジニアブログのソースコードを開いて、上記で取得したトラッキングコードを、
</head>の直ぐ上に貼り付けて下さい。
↓
これで、アクセスデータを取得できるようになります。
※サンプルとして、弊社の某サイトに設置した結果の画面をアップしておきます。
設置して間もないので1日分しかデータが無いですが、
しばらく運用を続けるとアクセス記録が溜まっていくので、より高度な分析を行えるようになります。
ユーザー追加
インストール時に「スーパーユーザー」を作成しましたが、これは管理者用のアカウントです。
複数人がアクセスする場合などは、勝手に設定をいじる人間もいます。
また、退職時にアカウントを持ち出されるなどといったことあり得なくないです。
そこで、管理者とは別のアカウントを作成して、管理者以外は、そちらのアカウントでアクセスするようにしましょう。
設定方法は以下です。
↓
画面右上の設定(歯車マーク)をクリックします。
↓
画面左カラムの「ユーザー」メニューを選択します。
↓
「新しいユーザーの追加」をクリックします。
↓
各項目を入力後、「ユーザーを作成する」をクリックして、ユーザーの追加を完了します。
↓
次は、左側の「アクセス権」というリンクをクリックして下さい。
↓
各サイト毎の権限設定画面に遷移します。
今回は、「エンジニアブログ」の「ロール」が「権限なし」になっているので、クリックしてみます。
↓
権限の選択肢が4つ(権限なし、ビュー、記入、管理)表示されます。
今回は、「ビュー」を選択します。
↓
「はい」をクリックして下さい。
↓
これで設定は完了です。
↓
試しに、今回作成したユーザーでログインし直してみて下さい。
選択したサイトの閲覧のみが可能になっていれば、設定完了です。
ウェブサイトの追加方法
Matomoでは、一つのインストール画面の中で複数サイトのアクセス解析を行うことが出来ます。
こちらでは、解析を行いたいウェブサイトの追加方法を説明します。
画面右上の「全ウェブサイト」をクリックします。
↓
「新しいサイトの追加」をクリックします。
↓
「ウェブサイト」を選択します。
↓
各項目を入力して、「保存」をクリックします。
「名前」には追加するサイトの名称、「URL」にはサイトのURLを入力して下さい。
また、「タイムゾーン」には「日本」を選択して下さい。
その他の項目は必要に応じて入力して貰えばOKです。
例えば、社内や自分のアクセスを解析から除外する場合には、そのIPアドレスを「除外IP」に入力して下さい。
保存が完了すると、以下の様に追加されます。
↓
Matomoのセキュリティ設定
管理画面のSSL通信設定
安全に通信を行えるように管理画面のSSL通信を強制化させておくことをおすすめします。
設定方法は簡単です。
「config/config.ini.php」という設定ファイルを開いて下さい。
↓
[General]というセクションがあるので、その下に「force_ssl = 1」という1行を追記するだけです。
以下のように記述されていればOKです。
・
[General]
force_ssl = 1
・
因みに、もし、SSLをインストールされていない場合、
出来ればインストールされておくことをおすすめします。
レンタルサーバであれば、どこも管理画面上から簡単にインストールできるようになっています。
それに、今の時代は、格安SSLや無料SSLもあるので、この機会に検討してみて下さい。
アクセス元を制限する
もし、管理画面へのアクセス元が固定(例えば、社内からのみ)されている場合、
IPアドレスでアクセス元を制限しておくことをおすすめします。
方法は、Matomoをインストールしたディレクトリの直下に、
以下のコードを記述した.htaccessをアップロードするだけです。
Order deny,allow
Deny from all
Allow from xxx.xxx.xxx.xxx
※「xxx.xxx.xxx.xxx」の部分は、各自のIPアドレスを設定して下さい。
今回であれば、「matomo」というディレクトリにインストールを行ったので、
その直下に.htaccessをアップロードして下さい。
これで、上記で指定したIPアドレス以外からのアクセスを制限することができます。
こちらの方法は、IPアドレスを固定している場合に行える設定です。
もし、固定IPアドレスを取得されていない場合は設定できないので、注意して下さい。
WordPressプラグイン「WP-Matomo(WP-Piwik)」を使って、管理画面を統合する
WordPressと連携するための「WP-Matomo」というプラグインも公開されています。
このプラグインをインストールすることにより、WordPress管理画面にアクセス解析のデータを統合することが出来ます。
その方法についても紹介しておきます。
まず、
WordPressの管理画面にログインして、プラグインのインストール画面に移動して下さい。
そこで、「WP-Matomo」を検索して下さい。
検索すると、「WP-Matomo」が一番左上に出てくるので、「今すぐインストール」をクリックして、インストールします。
↓
インストールが完了したら、「有効」をクリックして、プラグインを有効化します。
↓
有効化すると、管理画面左カラムの「設定」メニューの中に「WP-Piwik」が追加されます。
「WP-Piwik」をクリックして下さい。
↓
「WP-Matomo(WP-Piwik)」の設定画面に遷移します。
「Matomo URL」と「Auth token」を設定すると、連携が完了します。
この「Auth token」はMatomoの管理画面から取得するので、一旦、Matomoの管理画面へ戻って下さい。
↓
画面右上の設定(歯車マーク)をクリックして下さい。
↓
画面左カラムの「API」メニューを選択します。
↓
「ユーザー認証」という項目を確認して下さい。
「&token_auth=a4010d*****************」という箇所の値が「Auth token」になります。
「*」マスクされているので、クリックしてみて下さい。
「Auth token」の値が全て表示されます。
↓
この「Auth token」の値をコピーしておいて下さい。
※「&token_auth=」より右側のみをコピーして下さい。
↓
WordPressの「WP-Matomo(WP-Piwik)」設定画面に戻り、
「Matomo URL」と上記で取得した「Auth token」を登録して下さい。
「設定を変更」をクリックして下さい。
↓
正常に連携が完了したら、登録が完了します。
↓
管理画面左カラムの「ダッシュボード」メニューの中に「WP-Piwik」という項目があるので、そちらを選択して下さい。
↓
これで連携が完了したので、WordPess簡易画面上から統計データを確認できるようになりました。
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